電波研究会#
◇活動#
今年の電波研究会は、何と言っても第一に多難な年だったと言える。多難と言っても困難の多かった事ではなく、災難の多かった事である。
まず引継いで間もなく、昨年の主題でもあり三年生の最後の作品である「アンプ」が紛失した。これにはそうとうに力を入れ品質も高級な物を使って、多额に予算をつぎ込んでいて八分どおりでき上がっていた。このためしばらく活動がとだえてしまった。
一週間後に残ったわずかな予算でトランシーバーを作る事にし計画を立てた。これは一応成功をおさめた。三十一年度終。
続いて三十二年度。
自治会予算の方で請求額とれず、五分の一にしぼられてしまったので予定していた事が出来ず新入生入会までは一応自由研究として各自でお金を出して研究制作した。けれども個人で出す金額は知れており、たいした事は出来なかった。
六月に新入生が入会したが人数は少なかった。けれども人数の少ない割にレベルは高く一応電気電波の事はわかり(エレフトロニクスとまでは行かないが)ラジオなども組んだ経験のある者だった。七月中は一年生に「電波研究会とは、どんな研究会であるか」「どんな事を行うか」等の事務的な事と其の他の質問に答えたりした。夏休みは、別に宿題は出さなかったが、各自トランシーバーとかラジオ·インターホン·発信器·感応コイルなどを作り活発な所を見せた。
二学期にはいり行事などで十月の末までは制作はせず会合も低調だった。十月の末一応行事も終ったので会合を開き、一年生は小型アンブとトランシーバー二台作り二年生はアンプを作り、三年生は一二年の指導という事に決まり、中間考査のため十日間小休止。考査が終りパーツ(部品)を買いに行った。「電研ではトランシーバーやアンブばかり作っているな。」と思われたかも知れないが、三十一年度に作ったトランシーバーは全くの無線で小型電池式で携帯でき今度のはAC100V電源で形も大きく持ち歩き出来ないものである。(正式には無線送受信器という方が適当かもしれない。)又アンプも大小いろいろとあり、それぞれに特性、回路共に異なるもので、数種作って能率·特性等を比較し良い所をミックスして取り入れ研究して次の段階に進むのである。そこでその研究をすべくパーツをそろえ制作に取りかかって三分ほどでき上がった時にまたも理科室の電研の引出しから真空管と少しのバーツがなくなった。そこで一応許可を取るまでの応急処置として隠し釘を刺しておいたが又二日後に重要なバーツを入れた方の引出しの釘は抜かれ引出しも小破して中に入っていたすべてのバーツはきれいに無くなっている。真空管もトランスも其の他全く全部。ただわずかに古いシャーシー(ラジオ等を組み立てる金属製の台)とごみだけが残っていた。電研の引出しは二つあるがもう一方は古くて使えないパーツとラジオのボックスと配線用コードが少し入れてあっただけである。このように三十一年度三十二年度共に主題としていた物がなくなってしまった。それに今度は引継直前であったので打撃も大きかった「管理の不行届きだ。」と言われればそうであるが、電研が使うために与えられた電研の引出しの、その中に入れておいてなくなったのだから、ぽくたちとしては一応の事はしておいたつもりである。このごろ校内での物の粉失がふえてきたようである。これは大変悲しい事である。というのは、色々の条件状態から見て校内の者ではないかという不安を持つからである。一例を上げれば、学芸会の時育鳳館において練習中に照明のために持って来た多額の物品が紛失した。これによって個人的に大変な損害をこうむった。又引出しも重要部品のはいっている一方しか開けなかった等。それに電研の紛失事故があった直後に理科準備室でも事故があったそうである。
其の後、許可を取り鍵をつけたから今後電研に関してはこのような事はなくなると思うが、他の所でもこのような事が再び起らないように望む。
其の後の会合で責任者は二年四組の〇〇に決まった。
◇行事#
電研は今年「新入生歓迎会」と「学芸会」の照明を受け持った。
「新入生歓迎会」は照明用の台が悪く前一週間足を棒にして捜したが見つからず結局家庭科室の机を借りて代用とした。この台捜しのため責任者がずっと育鳳館を離れていて指揮が出来なかったので、照明の技術的効果と色感が不十分であった。
「学芸会」一番に喜びたいのは照明用の台を学校に御願いして作っていただいた事だ。これで来年からは照明も借り集めをしなくて済むので、もっと充実して来るだろう。
ここで一言。来年に劇をやられる責任者に御願いするが、割のせりふや演技に力を入れ、研究するのは大変結構だが、もっともっと照明というものを重視してほしい。これは毎年繰り返される言葉だが、一こうに反省されない。いくらさいそくしても台本さえも持って来ないのが実状である。もしもこの言葉が「うそだ。」と思われる方があったら、一度どこかの劇場へ行って劇を見て来て、それから練習の時にカーテンを開けて照明無しで劇をやって見れば納得が行くであろう。
委員長側へ。任命は一応責任者へ通知して貴任者が選んだ者を任命するようにしてほしい。このようにしないと、今まで顔も見せず、全然知らなかった者が出て来て「電研と任命されたのだから。」などと必要以上にごたごたとするもととなるからである。もう一つは個人にあまり負担をかけないまうに必要な所へは十分に予算をあたえてほしい。電研としても照明のために研究会予算を使うわけにも行かず、又お金がなければ出来ないか、又はやっても大変お粗末なものになってしまうので個人的支出が多額におよんでしまう。たださえ電研は金がかかり個人支出が多いのにたまらない。額を言うとさしさわりがあるといけないので言わないが、聞かれたらきっとびっくりされるだろう。照明の個人負担だけでも一研究会が一年間にもらう研究会予算などではとうてい手のとどく範囲ではないからである。
以上ながながと書いたが、来年度は電研で一つデモンストレーションなどして活動内容を公開することを引継事項としたい。今までのように地味な研究もよいが、やはり研究会は発表も一つの義務であるから。
来年度の活躍を期待する。
最後にこの一年間いろいろとお世話くださった〇〇・〇〇両先生並びに〇〇氏・諸先生に厚くお礼申しあげます。